コールセンターのプロになる(2)~インバウンド・クレーム対応編~

ワーク

クレームにプラスのイメージを持つ

「あなたにとってクレームとは」と聞かれ、「大変ありがたいもの」と即答できる方はどのくらいいらっしゃるでしょうか。クレーム対応業務を担当していると、「正直なところ、できれば受けたくないもの」という意識を持ってしまいがちです。

しかし、あらゆる業界にとって、クレームは商品・サービスの向上のために役立つものです。そこには「もっとこうなって欲しい」というお客さまの心からの願いが込められています。

クレームへの対応次第で、自分たちの商品・サービスだけでなく、組織全体のレベルアップが図れるのです。したがって、頭からクレームを拒絶してはいけませんし、怖がる必要もありません。問題となるのはクレームが起こった後の処理の仕方にあります。

クレームの傾向

コールセンターで受けるクレームは相手が見えないだけに、電話口の印象が全てであり、それだけにプロの対応が求められます。どんな場合でも「お客さまの心情を理解して対応する」ことが最も大切です。

とあるスーパーバイザーH氏にクレームの傾向を聞いてみました。

H氏「ちょっとした不満でも携帯電話やメールで気軽にクレームが言える世の中ですから、怒りの頂点で興奮が冷めないままに不満をぶつけてこられるケースが多くなっています。また、商品・サービスに対するクレームや意見を言うことは消費者の権利、と考える人が増えているというのも、一つの傾向だと思います。」

一方、組織の側も、クレーム対応への意識を向上させており、お客さまのお問い合わせや、貴重なご意見を受け付けるコールセンターなどの相談窓口を整備するようになっています。これにより、結果的に多くのクレームが寄せられるようになったという側面もあります。

クレーム対応のマインドセットとステップ

増え続けるクレーム対応のためのテクニック以前にオペレーターに必要なのはマインドセット。意識です。「会社を代表している」という意識を持ち、行動することを心掛ける必要があります。

こうしてお客さまと接することで、気持ちのこもったお詫び・あいづちができるのです。

その上で、クレーム対応の基本ステップを身につけることが重要です。

1.組織を代表しているという意識を持つ
2.お客さまの意見を受け止め、心情理解をする
3.事実の確認をする
4.解決策や代替案の提示

お客さまにご満足いただけるクレーム対応を行なうためには、上記の4つの手順をどのステップを飛ばすこともなく、1つずつ丁寧に進めていくことがポイントです。

その中でも基本ステップ2にもある「心情理解」は大切です。
「心情理解」をするには、お客さまが抱える物理的な問題、心的な問題を察する必要があります。その上で、お客さまが困っている事実に対してお詫びをするのです。

H氏「これまで、お客様のお話を十分にお聞きしないで、自分達の都合や言い訳してしまい、お客さまの神経を逆撫でしてしまった例を何度も見てきました。基本ステップの手順を守り、クレームの内容だけでなく感情まで理解することが、お客さまの気持ちを鎮めていただくコツですね。」

組織的クレーム体制を作る

クレーム対応は組織対応です。クレームは応対者でなく組織に向けられています。従って組織の中における協力体制を整え、組織的にクレーム削減を目指すことが求められます。

そんな時は「組織的クレーム対応体制を作る」ことを推奨しています。クレームが起きた真の原因追求、業務知識や対応方法の一元化、情報連携、カルテ作成などにより、どのようなクレームでもスムーズな解決を促します。

さらに体制を整えた上で必要なのは、定期的に「対策会議」を開くこと。クレームの現状を把握し、対策・回答を全員で考え、原因究明することが、クレームを大きな問題に発展させないコツなのです。

個人のスキルアップを目指す

それでも、組織の対応力向上のためには、個人の対応スキルの向上が不可欠であることは言うまでもありません。
「対策会議」で共有したクレーム情報を実践で役立てることが、オペレーターのスキルアップにつながります。センター全体から収集したよくあるクレーム、難しいクレームなどを使い、クレーム対応者とクレームを申し立てる方に分かれてロールプレイングを実施します。

H氏「このロールプレイングは非常に有意義ですよ。クレームをおっしゃるお客さま役をして初めてわかることってありますからね。電話応対もクレーム対応も共通して、相手の立場になってみることが基本ですから、とても効果的だと思います。」

また、ロールプレイなどのトレーニング要素の強い方法は、経験が少ないオペレーターのために用いられると思われがちですが、そうではないようです。

H氏「是非、ベテランの方にもやっていただきたいです。というよりも、逆にベテランの方に必要なのかもしれません。自分のスタイルが確立している方のほうが、お客さまを受けいれる姿勢が固まってしまっている場合が多いのです。」

クレーム対応に「小さな喜び」を見出す

一日中電話を受ける仕事は精神的にも肉体的にもきつい仕事です。どんなに慣れたとしても、常に同じ状態をキープすることは難しいと思います。

特に気分が滅入ってしまいがちなクレーム対応でストレスをためない方法をH氏に聞いてみました。

H氏「私がお勧めしたいのは『小さな喜び』を見出すこと。はじめは不満たっぷりだったお客さまの声のトーンが少しずつ変化してきて、笑顔で終話できると嬉しいですよね!難しいクレームでも、根気よく対応しているうちに、『あなただから』ということで、自分の“人柄”に納得していただき解決へと導けたら、頑張ってよかったって思えます。そんな『小さな喜び』をたくさん集めていったら、少しは楽になれると思いますよ。」

 

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